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変形性膝関節症

変形性膝関節症 2021.1

 変形性膝関節症とは、膝関節の滑りをなめ らかにしてクッションの役割をする軟骨や 半月板がすり減って、大腿骨(太ももの骨)と 脛骨(すねの骨)が直接擦れ合ってしまい、 その部分が変形することで、膝に炎症や腫れ、 痛みが生じる病気です。主に年齢とともに増えてきますが、女性に多く、65 歳以上の方の 約 20%にあるといわれています。 最初の症状は立ち上がりの時の痛み、階段 での痛み、正座ができないということが多い です。進行とともに関節にいわゆる“水”が溜 まるようになって、関節が動きづらくなってきます。

 ひとつの例ですが、日本人は骨格や筋肉の作りなどの特徴からO脚になりやす いと言われています。 膝の関節の内側に負担がかかり、痛みと共に軟骨がすり減って 徐々にO脚変形となり、歩行に障害を来すよ うになります。加齢のほかにも筋肉の衰え、 肥満、無理な動作や外傷など多くの要因が膝への負担となって発症します。 症状は下記の5段階に分かれます。

 変形性膝関節症の治療の基本は、保存療法(手術をしない治療法)で、運動や薬によ る治療です。もし保存療法を続けても症状 が改善されなければ、手術療法が検討されます。

グレード0:正常

グレードⅠ:関節裂隙狭小のない骨棘形成、または軟骨下骨硬化

グレードⅡ:関節裂隙狭小(25%以下)あるも骨変化なし

グレードⅢ:関節狭小(50%から75%)骨棘形成、骨硬化像

グレードⅣ:骨変化が著しく、関節裂隙狭小(75%以上)を伴う

 

  変形性膝関節症の治療の基本は、保存療法(手術をしない治療法)で、運動や薬によ る治療です。もし保存療法を続けても症状 が改善されなければ、手術療法が検討され ます。

保存療法 1.運動療法

  膝関節周囲の筋肉を鍛えることによって痛みを和らげる方法です。変形性膝関節症が進行すると、痛みで足を動かさなくなるので、膝の周りの筋肉が落ちて、関節が不 安定になってきます。すると、ますます膝に負担がかかって痛みが強くなる悪循環に 陥りがちです。 これを断ち切るためには運動療法はとて も有効です。膝の周りの筋肉が鍛えられると、膝の安定性が高まります。ウォーキン グや体操などの運動習慣を身につけましょ う。 

 ただし運動もやりすぎはよくありません。 症状が悪化してしまう場合もあるので、リ ハビリテーションで理学療法士と相談しな がら、適切な運動を行うことが大切です。 将来、手術を受けることになっても、できるかぎり筋肉の力を保っておくことは重要です。 

保存療法 2.装具療法

 膝の変形によって不安定になってしまった膝の支持性を補強して、膝関節への負担を軽減するために、靴の中敷きに外側が厚くなった特殊な板(足 底板)や、支柱付き膝装具なども用いられます。

 


保存療法 3.関節注射

 ヒアルロン酸ナトリウムの関節内注射も徐痛効果があります。ヒアルロン酸はもともと関節液中に多く含まれており、関節の動きを滑らかにし、 衝撃を和らげる役割がありますが、変形性関節症ではその量が減ることが知られています。これを 注射で補って関節の滑りをよくすることにより、 痛みを取る効果があります。

保存療法 4.薬物療法

 膝が腫れて痛みが強い場合には、鎮痛剤の内服や外用消炎鎮痛薬(湿布)を用いて炎症と痛みを抑 える薬物療法がおこなわれます。薬物療法そのもので変形の改善を目指すのではなく、薬剤で痛みを和らげ、その間に運動療法を行うことにより、 症状の改善を目指します。 また、膝関節には歩行をしているだけで体重の2~3倍の力がかかるといわれており、変形性関 節症の予防や進行を止めるためには、体重をコン トロールすることが重要です。

 

 

手術療法 1.関節鏡視下手術

 軽度から中程度の症例に適応があります。内視鏡で観察しながら半月板変性断裂部を切除したり、 滑膜を切除したりします。

手術療法 2.骨切り手術

 脛骨(すねの骨)の一部に切り込みを入れて、O脚の膝を矯正し、金属製のプレートとスクリューで 固定します。比較的に活動性が高い若い方に行わ れることが多い手術です。

手術療法 3.人工膝関節置換術

 病気がかなり進行して、膝の関節軟骨だけでなく、 骨まで破壊されている場合に行う治療です。傷ん だ軟骨、骨を人工膝関節の形に合わせて薄く削り、 チタン合金、セラミック、ポリエチレンなどでできた人工関節に置き換えて、痛みをとる手術です。 手術療法の中で痛みをとる効果は最も高く、ま た変形の矯正が行えます。手術後は1~3週間程 度で歩行が可能となるため、高齢の方にも適して います。すでに 40 年近い歴史があり、デザインや 素材が改良されて非常によい治療成績を得ています。日本での手術件数は年間約 35,000件で、当院でもこの手術を受けられます。

交通アクセス
医療法人 平病院
〒709-0498
岡山県和気郡和気町尺所438
TEL.0869-93-1155
FAX.0869-93-0330
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