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大腸腫瘍

暖流2016年秋号掲載

 大腸は図のように直腸と結腸に分かれ、結腸はさらに S 状結腸、下行結腸、横行結腸、上行結腸、盲腸に分かれます。人により異なりますが、大腸の長 さは1.5~2m ほどあると言われています。

大腸がんとは

 字のごとく、大腸にできるがんのことを指しますが、高齢化や食事の欧米化や肥満などにより増加しており、2014年の日本の統計では死亡数で男性は肺、胃に次いで3位、女性では1位となっています(男女を合わせた全体では、肺がんに次いで2位 となっています)。また2015年にがんになると予想される患者数は、胃がんや肺がんを抜いて、大腸 がんが1位になると予想されています。

大腸がんの好発部位や症状

 60~70%はS状結腸から直腸に発生し、発生部位に偏りがあります。進行がんになった場合の症状の出現も発生部位により違いがあり、横行結腸から盲腸の部位にがんが発生した場合は、管腔が広いため、がんが大きくなるまで症状がでにくく、腹痛や腫瘤(しこり)として、またがんからわずかな出血が持続し、貧血症状として発見されます。直腸から下行結腸の部位にがんが発生した場合は、血便や便の狭小化、便秘や下痢を繰り返すような症状となります。しかし、進行がんと異なり、早期の段階では症状がないため、便潜血検査による検診が発見の有力な手段となります。

大腸がんの予後

 大腸がんの5年生存率は、「転移がなく、大腸内に 限局する段階」では、90%以上ですが、「周囲のリン パ節へ転移した段階」で60~77%、「他臓器へ転移した段階」で18%と報告されており、がんであっても早期発見できれば怖い病気ではありません。

早期大腸がんの治療

 がんの治療の中心は、手術での切除が基本になりますが、早期大腸がんの中には大腸カメラによる内視鏡治療で治せるものもあります。 大腸がん治療ガイドライン(大腸がん治療の指針を示しているもの)では、早期大腸がんの中で内視鏡治療が可能となる病変は、「リンパ節転移の可能性がほとんどなく」「腫瘍が一括切除できる大きさにあるもの」と規定されています。前者については「がんがどこまで大腸の壁の中 に潜り込んでいるか」など、病変を切除した後の組織検査で判断していきますが、後者の大きさについては明確な規定はありません。 

 当院で内視鏡治療で治療した病気ですが、写真のように6㎝を越えるような病気は、以前は手術を受けていましたが、一括切除できる(1塊で切除できる)技量があれば、前者の規定に沿う病気であれば内視鏡治療が可能となっています。そのために開発された電気メスも登場しており、内視鏡の世界も非常に進歩しています。こういった恩恵を受けるためにも、早期発見が非常に重要となっていきます。そのためにも便潜血検査を受けて頂き、陽性だった場合は大腸検査を受けて頂けると嬉しい限りです。何か疑問がありましたら、いつでも相談ください。検査には事前に内科受診が必要です。

交通アクセス
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〒709-0498
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TEL.0869-93-1155
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