白内障 暖流2019秋号掲載
白内障は眼科ではポピュラーな病気です。白内障はどんな病気なのか説明させていただきます。
白内障とは
眼をカメラに例えると、水晶体はレンズの働きをしている組織です。白内障とは眼の中の水晶体(すいしょうたい)が濁る病気です(図1)。レンズが濁ると光の通りが悪くなったり、光が散乱してしまい、視力低下や羞明(しゅうめい:光をまぶしく感じること)、近視化(近視が強くなること)などの症状に繋がります。
日本人では50歳代で37~54%、60歳代で66~83%、70歳代で84~97%、80歳以上では100% の方に白内障があるといわれています。
原因
主な原因は加齢です。その他には糖尿病や代謝性の疾患、特定の内服薬はリスク因子となります。
こんな症状はありませんか?
□ 徐々に見にくくなってきた。
□ 霞んで見える。
□ 片眼でも両眼でも、ものが2重に見える。
上記症状は、白内障の症状かもしれません。
治療
一旦濁ってしまった水晶体は元にはもどりません。手術による治療が一般的です。水晶体の濁りを器械で吸い取り、人工レンズを移植します。白内障手術をすることで視力向上が期待できます。
近年の研究では、白内障手術には視力改善以外の効果があることがわかっています。白内障手術によって視力が改善すると、精神機能、運動機能が向上し、社会活動の増加や運転事故の減少が期待できます。また、うつ傾向の改善や睡眠障害の改善といった作用もあります。
当院では白内障手術は行っておりませんが、手術が必要な患者様は、私が在籍している岡山大学病院へご紹介させていただきます。設備の整った施設で手術を受けていただくことが可能です。
白内障は進行しすぎると手術が難しくなり、手術合併症が起きる可能性が上がります。上記のような症状があれば、早めの受診をおすすめします。
白内障は進行しすぎると手術が難しくなり、手術合併症が起きる可能性が上がります。上記のような症状があれば、早めの受診をおすすめします。