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腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症 2019.1

  少し歩くと、足が痛くなったりしびれたりすることで歩けなくなり、少し休むと、また歩けるようになる「間欠跛行」や下肢のしびれや痛みなどは、腰部脊柱管狭窄症が疑われます。

腰部脊柱管狭窄症とは

  腰椎内部の神経の通路である脊柱管が狭くなること(狭窄)により神経が圧迫され、その血行も阻害されて症状が出現する病気です。脊柱管は背骨、椎間板、 椎間関節、黄色靱帯などで囲ま れた神経が通るトンネルです。腰椎の脊柱管は5個の腰椎から成り立っており、第2腰椎より下の部分では、神経は馬の尻尾のように なっています(脊髄馬尾)。

 この脊髄馬尾神経は、それぞれの腰椎で左右一対ずつ枝分かれしていて、神経根と呼ばれています。各神経根は比較 的狭い骨の間伱(神経孔)を通って下肢に向かっています。

 年をとると背骨が変形したり、椎間板が膨らんだり、黄色靱帯が厚くなって神経管が狭くなることで発症します。

 一般的にはこれらの脊椎の変性や変性すべり症(腰椎が前後にずれる病気)によって起る「変性脊柱管狭窄症」のことを指します。

原因と症状

 主な原因は加齢ですが、変性すべり症によるものは女性に多くみられます。特徴的な症状は 「間欠跛行」です。間欠跛行とは、歩き始めは特に症状が強いわけではないので 、しばらく歩くと足が痛くなったりしびれたり、こわばったりして歩くことが出来なくなる状態を指します。しゃがんだり座ったりすると症状はすぐなくなり、また歩いたり立ったりできるのが特徴です。 

 これは立つことで構造上、脊柱管がいっそう狭くなり神経を圧迫するためで、体が前 かがみになると脊柱管がやや広くなり、神経の圧 迫がなくなって症状は改善します。

 間欠跛行が脊柱管狭窄症の共通した症状でが、圧迫される場所によって出てくる症状も様々 です。

 馬尾型は馬尾神経(脊柱管の中心部分)が圧迫されるタイプです。両下肢のしびれ感、冷感、 仏痛、排尿障害などです。

 神経根型は神経根(脊 柱管の外側)が圧迫されるタイプです。お尻から 足にかけてのしびれや痛み、筋力低下などが起きます。

検査と診断

 X線検査である程度推測できますが、CT検査、 MRI検査や脊髄造影検査によって脊柱管に狭窄が起こっているか確認します。似たような間欠跛行を呈する閉塞性動脈硬化症と区別することも必要です。

予防と治療

 まずは神経を圧迫するような動作や姿勢を避 けることです。神経の圧迫は腰を伸ば して立つ と強くなり、前かがみになるとやわらぎますの で、歩くときは伺をついたり、シルバーカーを押 して腰を少しかがめるようにしましょう。 

 薬物療法としては、一般的な消炎鎮痛薬のほかに、脊髄馬尾神経の血流改善を目的としたプロ スタグランジンE製剤を用います。

 また、痛みが強い場合には神経ブロック(硬膜外ブロック、神 経根ブロック)が行われます。そのほか腰の姿勢の改善を目的としたリハビリテーションや理学療法を行うこともあります。 

 しかし、このような治療を行っても症状が改善せず、歩行障害が進行し、日常生活に支障が出てくる場合には、手術療法を考えます。 

 手術の基本は、狭くなっている脊柱管の部分を広 して神経の圧迫を取り除くことです。神経の圧迫部位や範囲により「開窓術」「椎弓切除術」「脊柱管拡大術」が選択されます。

 また、変性すべり症のように椎体同士の動きが大きかったり、腰痛が強い場合には、椎体固定術を併用する場合があります。

交通アクセス
医療法人 平病院
〒709-0498
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FAX.0869-93-0330
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